私たちの家づくり
高気密・高断熱の家
皆さん、こんにちは。社長の宮川です。
私が「高気密・高断熱の家」で暮らし始めて、
今年で4年目になります。
木造2階建て、30坪の床面積に、
私と妻、高校2年生の息子、
そして、猫の「虎次朗」が暮らしています。
私たちがご提案する
「高気密・高断熱の家」の具体例として、
実際に暮らしているこの住まいの
特徴をご紹介します。
家の性能について
断熱性能
例えば車の場合、性能といえば、エンジンの馬力や燃費があげられると思います。
家の場合は、断熱性能と、隙間がどれだけあるかという気密性能、そしてランニングコストが主な性能としてあげられます。
まず、断熱性能について。私の暮らしている「高気密・高断熱の家」では、柱の外側と、壁の中に断熱材を入れた、いわゆる外貼断熱工法と充填断熱工法を組み合わせた施工をしています。
それぞれのメリットを活かしながら、デメリットも補い合うため、この地域では最高の断熱工法だと考えています。
平成25年改定省エネ基準
地域区分 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
外皮平均熱貫流率の基準値[W/(m²・K)] | 0.46 | 0.46 | 0.56 | 0.75 | 0.87 | 0.87 | 0.87 | – |
冷房期の平均日射熱取得率の基準値 | – | – | – | – | 3.0 | 2.8 | 2.7 | 3.2 |
北海道が、1から3の地域区分。青森県、秋田県が4の地域区分。滋賀県北部は、5の地域区分になります。そして、この家の断熱性能(UA値)は0.46!寒い北海道でも大丈夫な断熱性能です。
実際、家の中が20°Cで、外の気温が0°Cの時、夜9時に暖房を止めて、朝の5時に温度計を見ると、17°Cでした。8時間に3°Cしか下がりませんでした。
気密性能
次に気密性能です。この家全体にどれくらいの隙間があるのかを、機械を使って測定します。隙間の測定は自社で行っています。
自社で測定するメリットは、どこに隙間があるのか、じっくりと探せることです。写真の筒状の機械で、建物の中の空気を外に出します。すると、建物内の気圧が下がり、隙間がある場合はそこから外の空気が侵入してきます。その隙間を見つけて、きっちりと発泡ウレタンで埋めていくことで、気密性能の高い家をつくることができます。
結果、この家の隙間相当面積はC=0.25cm²/cm²。つまり、家全体の表面積中、わずか5cm角の隙間しかないということです。 隙間がなく、外からの空気の侵入が少ない家は、冷暖房の効率が良くなります。 さらに、計画換気の空気の流れも安定し、わずかな換気量でも、しっかりと部屋の空気を入れ替えることができます。 なお、国が定めていた基準値はC=2.0cm²/cm²。この家の隙間は、基準値の8分の1でした。
ランニングコスト
車の燃費にあたる、この家のランニングコストを紹介します。オール電化住宅のため、ガスや灯油は使っていません。電気代だけがランニングコストになります。
冬12月~1月
電気を最も使う月
電気を最も多く使うのは12月から1月です。暖房は、深夜電力を利用する蓄熱暖房機を使用しています。
1月の電気代18,280円の半分近くがこの暖房機の電気代ですが、風の当たらないやわらかな暖かさは、とても快適です。
春5月
電気を使わない季節
一番電気代の少ない月は気候の良い5月で、6,509円です。冷暖房器具を使わない季節です。
夏7月~8月
冷房に電気を使う夏
夏場は冷房を使うため、10,527円になっています。妻は自宅で仕事をしているのですが、エアコンを使用する時間は、お昼頃から就寝までです。
午前中は、北からの風のおかげで涼しく、エアコンは使用していません。
冬12月~1月
蓄熱暖房機
11月から、蓄熱暖房機を使い始めました。12月分から10,000円を超えています。
電気代の結果
年間の電気代は、139,489円でした。
月平均11,624円です。
前年の年間電気代は138,699円でした。
プランについて
高気密高断熱の家は、1台の暖房機でも家中が暖まるため、間仕切りや建具を減らすことができます。廊下を無くすこともできるので、リビングを広く使えます。
LDKから2階に上がる「リビング階段」は、冬場になると2階の冷気が降りてくるため、低断熱の家ではとても寒く感じます。しかし、高気密高断熱のこの家の場合、わずかな冷気を感じるだけで寒いというほどではありません。夏は、階段踊り場の窓を開けると、涼しい北風がリビングに吹き抜けます。
東西南北に開口を設けており、夏は日の当たる開口部は閉め、影の開口部をすべて開けることで風を通し、午前中は涼しく過ごすことができます。窓ガラスには、熱を遮断するLow-E複層ガラスを使用しています。
一階
二階
仕様について
外の仕上げ
屋根と外壁には、耐久性のあるガルバリウム鋼板を使用しています。熱の出入りが一番大きい窓は、断熱性能の高い樹脂製サッシの商品を使用し、ガラス部分は熱や光を40%遮断するLow-E複層ガラスを使用しています。
中の仕上げ
床は、カバサクラに自然塗料を施した無垢材を使っています。3年間この床を使っている感想ですが、表面が柔らかいので、傷はつきやすいです。しかし、以前暮らしていた固い合板の床に比べ、脚が疲れにくいように思います。
設備
給湯器はエコキュート、調理機器はIHクッキングヒータ―を使用した、オール電化住宅です。ユニットバス、キッチン、洗面、トイレは、リクシルの商品を使用しています。
収納
一般住宅で目安とされる収納の広さは、家の延床面積に対して12%から15%の割合といわれています。
この家の場合、玄関収納とキッチンのカップボード・吊戸棚を除いた収納面積は、全部で11cm²。延床面積98.17cm²に対し、約11%の収納率です。
すこし少ないようですが、この家は小屋裏スペースを利用できるため、普段使用しない物や災害時の非常用物資などを小屋裏に置くことができます。ハシゴではなく普通の階段で上がることができるので、大きな荷物移動も安全に行うことができます。
住まい心地
この家は当初、お客様にご宿泊していただき、「高気密・高断熱住宅」の良さを実際に体感していただける展示場でした。
しかし、私自身がこの家の良いところ、また悪いところをもっと深く知る必要性を強く感じ、家族を巻き込んでの「長期実体感」が始まりました。
この家に暮らし始めて3年、一番喜んでいるのは、家で過ごす時間の多い妻です。その妻に、この住まいの良いところ、気になるところを聞いてみました。
GOOD
良いところ
- 住み始めてからの3年間、風邪をひかなくなった
- 「しもやけ」にならなくなった
- ランニングコストが半分以下になった
- 外の音が気にならない。とにかく、静か
- ホコリが溜まりにくい
- スリッパがいらない
- 冬場でも洗濯物がよく乾く
- ゴキブリがいない
- ピアノの音がくるいにくい
SOSO
気になるところ
- 家の中の音がよく響く
- クロスの継ぎ目が開いてきているところがある
- 梅雨時、床下のにおいが気になることがある
- 雨の音が響く
- 床に傷がつきやすい。しょう油をこぼすとシミになった
- 息子のアトピーが治ると聞いたのに、治らない。しかし、花粉症はマシになった気がする
妻の気になるところで、直せるところは改善しました。梅雨時の床下のにおいに関しては、基礎のコンクリートから出る湿気が原因でした。乾燥した時期に床下を強制換気することで、2年目以降、においはなくなりました。
快適で健康な生活を
送るために
カナダや欧米、北海道や東北の寒い地域では、もっと断熱性能に優れた家があります。そのレベルまで性能を高めることは難しいことではありません。
サッシをトリプルガラスにしたり、壁を厚くして、その中にたくさんの断熱材を詰め込んだり・・・。
しかし、そうすると、滋賀県の気候では夏場に断熱材が熱を吸収しすぎてしまい、夜になっても室温が下がらず、かえって過ごしづらい家になってしまいます。
地域に合った、ちょうど良い断熱性能はどれくらいなのか、地域に合った断熱材は何が良いのか、知っておく必要があると思いませんか?
また、コストバランスはどうでしょうか。
当たり前のことですが、良い断熱材を使った家は高価です。30坪の家なら、通常の断熱材を使用した場合と比べて、約150万円もの差があります。
反対に、安い断熱材でローコストの家を建てた場合、毎月の光熱費はどうでしょうか?
若い時は我慢できた寒さも、年齢を重ねると、それも段々とつらくなってしまいます。寒いお風呂場でのヒートショックなど、大切な我が家で健康を損なってしまうことにもなりかねません。